サッカーW杯ロシア大会が開幕しました。代表の戦いはクラブチームとは違う独特の面白さがあります。日本は世紀の大番狂わせをサッカーでも起こせるのでしょうか。四年前とは違い時差もそこまでないので、可能な限りリアルタイム観戦でこのお祭りを愉しみたいと思います。

ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」』荒木香織著

勝利が決まったときは、いままでの人生のなかで最高に興奮しました。私はわりと何が起きても醒めているタイプなのですが、このときばかりは心臓が破れるんじゃないかっていうくらい興奮しました。ノーサイド直前、三点ビハインドの状況でペナルティを得たとき、エディ・ジョーンズ・ヘッドコーチは「ショット!(ペナルティキックで同点を狙え)」の指示を出しました。けれども、選手たちはその指示を無視しました。ロックとして身体を張り続けてきたトンプソンルーク選手は言ったそうです。
「歴史を変えるのは誰よ!?」
そして、トライを狙いにいき、あの大逆転が生まれました。そのとき、このチームはエディさんから自立した。主体性をもって、自らの意思と判断で行動したのです。

メンタルコーチの仕事は何かと聞かれれば「スキル、道具を増やすこと」そう答えています。

プレ・パフォーマンス・ルーティンは、そのパフォーマンスを行う際に生じるであろうさまざまな雑念を取り払い、ルーティンを正確に行うことだけに集中するためのもの。それが目的です。

褒められたときのことを記憶する。うまくいったときの感覚、つまり身体の感覚や心の感覚を憶えておくと、次も連続して成功させる自信につながる。

「結果に関する目標」をひとつ立てたなら、「パフォーマンスに関する目標」と「過程に関する目標」がそれぞれいくつかないといけません。そうしないと、必ず結果を出せる行動につながらないからです。

スポーツにかぎったことではありませんが、自分でコントロールできない、変えられないことに対して気を揉んでも、何の解決にもなりません。時間とエネルギーを浪費するだけです。ならば、その時間とエネルギーを自分ができることに費やすほうがよほど建設的だと思いませんか?

何かを前にして、漠然とした不安を感じることは誰にでもあると思います。そんなときは、何が不安なのか、その原因をひとつひとつ書き出していくことが大切です。そうやって整理し、対処法を考えることで、自分がコントロールできること、やるべきことが明確になっていくはずです。

人は、何のためにそこにいるのか、何のためにそれをやるのかということがわからないと、みずから積極的にコミットしようとは思いません。

「どんな環境であれ、目の前のことに対して100%できるか。環境がよかろうと、悪かろうと、目の前のことに対してしっかりコミットできるかどうかが、将来を切り開けるか切り開けないかに直結してくると思う。(五郎丸歩)」


cocoro no cacari|大塚紀廣

1976年千葉県生まれ。大学卒業後、第二新卒で(株)リクルートに入社、国内旅行情報じゃらんを担当した。その後同グループであった(株)ゆこゆこへ籍を移し、人事部で人材採用、社員研修の企画運営、ストレスチェック実行者等を担当した。40歳で退社し、臨床心理学大学院へ進学。修了後は東京大学医学部付属病院老年病科、都内のメンタルクリニック等で心理士業務に就き、現在に至る。専門は高齢者臨床と産業心理。趣味はロードバイク、サッカー、ジェフ千葉、漫画、温泉など。