先週末は修士2年の先輩方の謝恩会&送別会。別に私に対しての言葉じゃないのに、教授陣の祝辞で刺さるものがいくつかあり。
「粘り強くやりなさい」
これ、会社員時代、歴代の上司から申し合わせたように言われ続けた言葉。当時の僕は、及第点の出来で量をさばくことを美徳としていた。今でもそれはそれで間違いではないと思ってるが、でも心のどこかで本当にそれでいいのかと疑う節もあった。今だったらどうなんだろう。ひとりのクライエントを前にして、投げ出さずに諦めずに泥のようにやれるだろうか。
「人の前を歩きたい時は気をつけなさい」
数ヶ月前、朝の通勤ラッシュを、われ先に足早に掻き分けて進む自分がいた。周囲の動きの遅さと意識の低さ、俺ならできるという驕り。イラついていた。実は二週間前にサッカーの試合で尾てい骨を打撲し、先週まで松葉杖をついて生活していた。牛歩の俺に道を譲ってくれる人の優しさがしみた。心に余白を持ち、足取りはゆっくり、丁寧に歩をすすめる。
「一晩寝て、それでも収まってなかったら、喧嘩しなさい」
まさしくアンガーマネジメントであり、こころの健康を保つひとつのやり方である。瞬間的に沸き起こる怒りに、膝蓋腱反射のように身体反応させてはいけない。危険だ。メタ認知を鍛え、常にどこかで冷静に客観視できる自分を獲得する。一晩置いてなお納得がいってなければ、アサーティブに行動に移す。こころに溜め込んではいけない案件も、世の中にはある。
「(あの人は)本物よ」
生活帯の中に入って行う心理支援の仕事には、相当の覚悟とエネルギーが必要で、中途半端はクライエントに簡単に見抜かれる。技術よりも姿勢が問われる。73歳の大先生が認める30代の臨床心理士。私もそうなりたい。