心理カウンセリングの料金は一律ではない。法で定められている訳でも、協定がある訳でもない。未統制な日本の心理の市場よろしく、今は施術者が自由に決めることができる。大事なのはクライエントの効果に繋がる金額設定であることだ。
ひとつ判っていることがある。無料はよくないということだ。心理カウンセリングとは、クライエントが自らの力で心理的困難から回復するための援助行為である。主役はクライエントであり、そこに臨む主体性というものが非常に重要になってくる。無料であれば門戸を叩く敷居は低まるが、覚悟は決まりにくい。
「結果にコミットする」で一世風靡したライザップ。やっていることはジムトレーニングと食事管理で、他のスポーツジムとなんら変わりはない。違うのは料金だ。契約期間にもよるが30〜40万円、一般と比べて2倍近くだろうか。高いお金を払ったんだから痩せない訳にはいかないという顧客心理が働いている。高けりゃいいという訳ではないが、無料よりはよいのだろう。
実際にはいくらがいいのか。クライエントが払うのにちょっと高いなと思う金額が理想であると言われている。しかし、その水準はひとそれぞれに違う。だから料金設定は難しいのだ。どの経済層をターゲットにするのか。マーケティング的視点が必要になってくる。
最近はどこも値引き傾向にあるが、心理カウンセリングの基本料金は60分10,000円であることが多い。毎週行えばひと月4万円、3ヶ月で12万円である。カウンセリングにこれだけ支払える、または支払う価値観をもつ層が今の日本にどれだけいるだろうか。我々も場所代や人件費などをできる限り削減し、こちらの儲けとクライエントの負担のギリギリの設定を目指していきたい。