カジュアルな感じで読めるこの学術書は、第19回大佛次郎論壇賞を受賞されました。沖縄時間の中で行われるデイケアのほのぼのしさと、読み進めるほどにジワる「居る」怖さ。この先、仕事でデイケアにも絡んでいくので、とても考えさせられました。ケアとセラピーは似て非なるもの、混ぜるなキケン。支援者がきちんと認識して枠を設けることでお互いが守られるのです。
「居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書」東畑開人著
居場所とは、尻の置き場所。とりあえず、座っていられる場所のことだ。とりあえず座っているとは、一緒にいることだ。
「する」ことがないと「いる」のはつらい。「する」で「いる」の不安を紛らわすことが繰り返された。
調子が悪くなって、おかしな状態になるとき、こころとからだの境界線は焼け落ちる。そのとき、こころとからだは「こらだ」になってしまう。こらだは不便だ。こらだが現れるとき、自分で自分をコントロールできなくなってしまうからだ。
ケアされることで、ケアする。
ケアとは傷つけないことである。セラピーとは傷つきに向き合うことである。
ケアとセラピーは、ケとハレ、日常と非日常、地と図、空間と時間、円と線、風景と物語、中動態と能動態、水平と直角、安全と成長、支えると介入する。
居るのはつらいよ: ケアとセラピーについての覚書 (シリーズ ケアをひらく)www.amazon.co.jp
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