2022.9.xx
7月にCOVID‑19に感染し、10日間の自宅監禁生活をおくった。幸いにも軽症だったので、外出できない不便さや、治療費やネットスーパーの宅配で出費はかさむものの、不意に訪れたゆとり時間に癒されていた。

休暇中に考えていたのは、時間とお金について。当然お金は欲しいよね。生活費は必要だし、子どもの学費をつくらなくては。自分たちの将来の貯蓄だってしたい。けど、今年から心療内科と産業心理で週6日勤務するようになり、銭よりも時間のほうが尊いと感じるようになった。

心理士になって2年間は意図的にフリーランス・パートタイムで働いた。初心者ゆえ、日常に余裕を持って業務や資格試験の準備をしたかったのだ。当時の年収は会社員時代の半分以下だったけど、自分の学びのために人に会ったり勉強会に参加している時に新たな仕事が決まったりと、時間がお金を生み出す瞬間に多く出くわした。

欲しい資格は取り切ったため、今年は臨床に全時間を投下する目的で週6勤務を試しているのだけど、これはイマイチかもしれない。量は担保されているが、質が荒れる。もともと自分の性格が「及第点で良しとする」で、臨床のテーマは「懇切丁寧」なのに、まるで達成できていない。

私のキャリアがあれば、収入は会社員時代の水準に届くことが見えたので、ならば今は銭よりも時間の確保を考えよう。自分自身の豊かな人生のために。

カテゴリー: 日乃心記

cocoro no cacari|大塚紀廣

1976年千葉県生まれ。大学卒業後、第二新卒で(株)リクルートに入社、国内旅行情報じゃらんを担当した。その後同グループであった(株)ゆこゆこへ籍を移し、人事部で人材採用、社員研修の企画運営、ストレスチェック実行者等を担当した。40歳で退社し、臨床心理学大学院へ進学。修了後は東京大学医学部付属病院老年病科、都内のメンタルクリニック等で心理士業務に就き、現在に至る。専門は高齢者臨床と産業心理。趣味はロードバイク、サッカー、ジェフ千葉、漫画、温泉など。