夫婦水入らずで、バリ島に8日間行ってきた。

うちはお互い26歳で結婚しすぐに子どもが産まれたので、DINKs期間がなかった。私は結婚する直前は心理系大学院進学を目指すフリーターだったのでお金もなく、婚約指輪も買えなかったし、妻にはそれ系のいい思いをさせてあげられなかった。これまで一緒に歩んできてくれた恩返しのひとつにはなったかなと思っている。

大学時にタイで3週間バックパックを背負いアジアの美しさと面白さを知り、次はバリ島と焦がれて25年が経ち、今回ようやく当時の想いを回収できた。心理屋として世に出て、働き詰めた5年間のご褒美としての意味あいもあった。

大学院を修了し、初年度は4か所で週6勤務、休日も資料作成や研修などで、まともなのんびり時間がなかった。けど、それは嫌じゃなかったし、むしろ本の知識が現場知に書き替えられていく感動で、もっともっとやりたい気持ちだった。一方で、やはり疲労は蓄積していくもので、2年間の病院の常勤を終えたこのタイミングで、一度心身ともにリフレッシュさせることができた。

現地のみなさんが言う「terima kashi」に耳覚えあって、「ああ、とーりまかし、か」と。じゃらんリサーチセンターが発行している研究冊子「とーりまかし」はインドネシア語で「ありがとう」の意味。「じゃらん」がインドネシア語で散歩なので、その流れで命名した経緯がある。リクルートを卒業して十数年が経つけど、巡り巡って結局人生なんて1本で繋がっているんだなと感じてしまった。

失ったことと言えば、スーツケースのキャスター1つと、空港のポーターにチップとして渡すハメになった千円くらい。得たことや回収できたこと満載の旅行になって大満足している。命の洗濯できたので、また頑張ってやっていこう。

カテゴリー: 日乃心記

cocoro no cacari|大塚紀廣

1976年千葉県生まれ。大学卒業後、第二新卒で(株)リクルートに入社、国内旅行情報じゃらんを担当した。その後同グループであった(株)ゆこゆこへ籍を移し、人事部で人材採用、社員研修の企画運営、ストレスチェック実行者等を担当した。40歳で退社し、臨床心理学大学院へ進学。修了後は東京大学医学部付属病院老年病科、都内のメンタルクリニック等で心理士業務に就き、現在に至る。専門は高齢者臨床と産業心理。趣味はロードバイク、サッカー、ジェフ千葉、漫画、温泉など。

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