コミュニケーションの取り方は万万千千で、そのうちのひとつにアイコンタクトがあります。人は基本的には、良好な関係を築きたい相手とは目を合わせ、拒否したい相手からは目をそらすと言われます。うん、わかる気がする。

通常は、目を合わせる回数や時間が多いほど、相手への好意や関心が高くなります。以下のコラムで触れた「単純接触効果」に近いものがありますね。

https://note.com/embed/notes/n02b519934668

しかし、これには男女差があるようで、ある論文では「女性は男性の魅力に関係なく、平均8.2秒見つめ続けることが可能で、男性は女性が魅力的でないと、平均4.5秒しか見つめない」という調査結果が発表されました。

男性は女性からの視線は「必ずしも好意ではない」と自覚しないといけません。勘違いしないように気をつけねば。一方、女性が男性から見つめられる場合は、好意がある可能性が高いようです。

好意のサインはアイコンタクトに限りません。男女共通の脈ありサインとしては、悩み事を相談してくる、ボディタッチしてくる、距離を縮めてくるなどが挙げられます。ただし、これらが全てでも絶対でもありません。サインの出し方は人それぞれ十人十色ですし、受け手の受信能力も関係してきます。結局、関係性というのは試行錯誤の中でつくられるのです。これこそがコミュニケーションなんですね。

(私が今でも週末している)サッカーでは、ゴール前では特にアイコンタクト・プレーが重要です。瞬時のひらめきで相手を翻弄するのです。練習を重ねて相互のプレースタイルが分かり合えていくと、視線を合わせた感じでコンビネーションの共有が図れるようになります。目と目で通じ合う仲になりたいのは工藤静香だけではないようです。

参考:「面白いほどよくわかる!見ため・口ぐせの心理学」渋谷昌三著(西東社)


cocoro no cacari|大塚紀廣

1976年千葉県生まれ。大学卒業後、第二新卒で(株)リクルートに入社、国内旅行情報じゃらんを担当した。その後同グループであった(株)ゆこゆこへ籍を移し、人事部で人材採用、社員研修の企画運営、ストレスチェック実行者等を担当した。40歳で退社し、臨床心理学大学院へ進学。修了後は東京大学医学部付属病院老年病科、都内のメンタルクリニック等で心理士業務に就き、現在に至る。専門は高齢者臨床と産業心理。趣味はロードバイク、サッカー、ジェフ千葉、漫画、温泉など。