春は何かと変化する季節。入学、入社、異動、転勤、天候など枚挙に遑がありません。この変化が与えるストレスの大きさを感知できていますか。

ホームズとレイが開発したストレス測定法「社会的再適応評定尺度」があります。これは、生活上の重大な出来事(ライフイベント)によって引き起こされた生活様式の変化に再適応するまでの労力が心身の健康状態に影響を及ぼすという考え方に基づいています。

結婚に対するストレス度を50点とし,それを基準に0~100点の範囲で、ストレスに対して再適応に要するエネルギー量を評価します。結婚などの幸福なライフイベントもストレスになることは知っておけるといいですね。

ライフイベント項目は、アメリカ国民の一般的な人々のライフサイクルが過去10年間にわたって調査され、1967年に発表されました。現代のライフイベントとのズレはありますが、参考値にはなるでしょう。

配偶者の死 100
離婚 73
配偶者との別居 65
近親者の死 63
個人のけがや病気 53
結婚 50
解雇 47
退職・引退 45
家族の健康上の大きな変化 44
妊娠 40
家族が増える 39
転職 36
引っ越し 29
仕事上の責任の変化 29
上司とのトラブル 23
睡眠習慣の変化 16
食習慣の変化 15
クリスマス(正月) 12

社会的再適応評価尺度(一部抜粋)

過去1年間の得点の合計が一定の基準を超えると心身疾患に罹患する可能性が高まることが報告されています。これは、ストレスによる心身疾患が複数の要因から起こるという考えに基づいています。

1年間での合計が200点以上になると注意が必要、つまりストレスによる心身疾患が複数の要因から起こるリスクが高まると言われます。みなさんのここ1年の合計はいかがでしょうか?

自分ではコントロールできないライフイベントもありますが、調整可能なものは短期に重複しないようにしたいところです。


cocoro no cacari|大塚紀廣

1976年千葉県生まれ。大学卒業後、第二新卒で(株)リクルートに入社、国内旅行情報じゃらんを担当した。その後同グループであった(株)ゆこゆこへ籍を移し、人事部で人材採用、社員研修の企画運営、ストレスチェック実行者等を担当した。40歳で退社し、臨床心理学大学院へ進学。修了後は東京大学医学部付属病院老年病科、都内のメンタルクリニック等で心理士業務に就き、現在に至る。専門は高齢者臨床と産業心理。趣味はロードバイク、サッカー、ジェフ千葉、漫画、温泉など。