私の受験番号が公式HPに掲載されてました。めでたい!これで一息つけます。
第5回公認心理師試験は、受験者数33,296人に対し、合格者数16,084人、合格率48.3%でした。前回の合格率が53.4%なので、ぼちぼちの難易度だったようです。
【令和4年8月26日14時】第5回公認心理師試験(令和4年7月17日実施)合格発表 | 講習・試験・登録 | 一般財団法人 日本心理研修センター 公認心理師試験公認心理師法(平成27年法律第68号)に基づき実施した第5回公認心理師試験(令和4年7月17日実施)の結果、合格基準及shinri-kenshu.jp
合格基準は「総得点の60%程度以上」と試験概要に明記されています。私は71.3%とれていました。準備段階から満点を捨てて、80%目標で、70%得点で合格できればいいやと思っていたので、狙い通りの成果が得られて満足しています。本音いえば8割とりたかったですけどね。
私の得点内訳
知識問題 配点1 成果:71問/全116問 正解率:61.2%
事例問題 配点3 成果:32問/全38問 正解率:84.2%
私にとっては、知識問題がかなり難しかったです。臨床心理士試験よりも難しかった印象です。
https://note.com/embed/notes/n15008b9a2090
臨床心理士試験は、心理検査の結果や評価項目等がかなり細かく問われました。検査所見を書く時に必要な知識や観点です。翻って公認心理師は、心理職が働く領域で連携や他職種と関わる際に必要であろう問題が多い印象でした。両資格の違いは求められる役割の違いです。これについては別途コラムにする予定です。
あとは、知っているか知らないかの知識問題ではなく、本質を捉えられているかを問う問題が多かったようです。例えばですね、
問89 ある実験において、写真に写った本人は左右反転の鏡像をより好み、その友人は同じ人の正像をより好むという結果が得られたとする。この結果を説明する心理学概念として、最も適切なものを1つ選べ。
①傍観者効果 ②単純接触効果 ③ピグマリオン効果
④自己中心性バイアス ⑤セルフ・ハンディキャッピング
正解は②単純接触効果なんです。以下、宮川先生が解説してくださっています。ちなみに私はこの問題、落としました。。。
もし「繰り返し接することで好意的な評価が形成されやすくなる現象を表す用語を1つ選べ」という問いかけならば、多くの者が「単純接触効果」を選べたことだろう。しかし、本問はそのような「暗記」ではなく「理解」を問う内容であった。単純接触効果という用語と意味を丸暗記しているだけでは正解することが難しいが、日常生活と関連づけながら「活きた知識」「活きた理解」になっていれば正解することは、決して難しくない。
第5回試験は用語名の丸暗記で対応することが難しく、意味を理解していなければ解けない問題が多く出題されていた。そのような観点で見ると「過去問に表面的に取り組んだだけ」では、対応できなかったであろう。過去問の内容やブループリントのキーワードについて、自分なりに意味を咀嚼し、理解し、活きた知識にまで仕上げることが求められていた。今回の試験の質は以前よりも向上していた。
本質を掴んで、活きた知識まで昇華させる、、、肝に銘じます。
一方で「知らねえよ、こんなの」と試験中に毒づいた問題もありました。例えば「愛の三角理論」です。
愛の三角理論とは、心理学者スタンバーグが提唱した対人関係に関する理論です。愛とは単独の概念ではなく、3つの要素「親密さ」「情熱」「コミットメント」の強弱で説明しています。これにより、恋愛関係上の愛、親子間の愛や、長く時間をともにすることで培われる友情、愛とまでは呼べないような感情も理論的に説明できるとしています。
対人関係の理論としては有名らしいのですが、私は知りませんでした。試験中に色恋要素を想起させる「愛の三角理論」や「恋愛の色彩理論」が出てきて、なんだこれと虚を突かれました。私以外も多くの受験者がこの問題は印象的だったようで、試験終了後にTwitterで話題になったようです。
事例問題は、どれも実際に起こりそうだなと思える良問揃いでした。私が心療内科や産業現場で対応したケースに近い問題もありました。経験と知識の両輪で臨床していきないさいよ、と諭された気分でした。
試験を通じて、公認心理師に求められていることが何かを、改めて感じ取ることができました。国家資格ですので、広く国民のこころの健康の保持増進に寄与していけるように、これからも研鑽していきます。