「始めよう。瞑想」宝彩有菜著 を拝読して、言葉を変換することで、後悔や心配の念を払拭する方法を知った。NLPにも似た理論で面白い。

後悔をなくす

後悔をなくすには「後悔」を「反省」に変えることである。「◯◯すればよかったのに…」を、「◯◯しなかったから悪かった」に変えるのだ。よかったのに…という希望や仮定ではなく、悪かったという事実認識に変えることで、良くなるためのネクストアクションを導くことができる。失敗が成功へ学びに変わる。

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心配をなくす

心配をなくすには「◯◯になったら、どうしよう」のどうしよう部分を取り除いて、「その時になったら、考えよう」「その時になったら、対応しよう」に置き換えるのである。考える時期の変更なので、脳もしぶしぶ受け入れてくれる。

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NLPからの解釈

言葉あそびと侮るなかれ。NLPによれば、脳は言葉に縛られるという。

一例を挙げると、私たちの脳は「〜しない」を理解できない、脳は否定形を理解できないという。例えば「パンダを想像しないでください」と言われても、脳は勝手にパンダを脳裏に映してしまう。○○しちゃだめ、✕✕はよくない、という表現で脳に強く刻まれるのは、実は○○や✕✕の部分なのだ。だからNLP理論では、脳の素直な反応を効果的に利用するために、必ず肯定文で表現することになっている。

「嫌い」「苦しい」「気分が下がる」など、否定的な表現(言葉)を使わないこともネガティブを発動させない工夫のひとつである。「好きではない」「楽ではない」「気分が上がらない」などに言い換えよう。強調されるのは「好き」「楽」「上」となり、脳が勝手に勘違いしてくれる。

まとめ

私たちは過去や未来を憂うと不安になる。変えられない過去を思い出して後悔の念に囚われ、どうなるかわからない未来に想いを馳せて心配になる。過去でも未来でもなく今を生きるに集中するのがベストだと思うし、森田療法でもマインドフルネスでもそう説いている。それが出来ればことは簡単なのだが、悲しいかな我々は考える葦である。

後悔や心配が出てきたら言葉を変換する。否定形ではなく肯定形で表現する。

この法則をスマホの待ち受けにしておくといい。紙に書いて部屋中に貼っておくのもいい。無意識にできるようになるまで、念仏のように唱え、何度も何度も繰り返し行い、心身に骨の髄まで浸透させよう。ポジティブを維持できる良い魔法なので、強固に呪縛することをお勧めする。


cocoro no cacari|大塚紀廣

1976年千葉県生まれ。大学卒業後、第二新卒で(株)リクルートに入社、国内旅行情報じゃらんを担当した。その後同グループであった(株)ゆこゆこへ籍を移し、人事部で人材採用、社員研修の企画運営、ストレスチェック実行者等を担当した。40歳で退社し、臨床心理学大学院へ進学。修了後は東京大学医学部付属病院老年病科、都内のメンタルクリニック等で心理士業務に就き、現在に至る。専門は高齢者臨床と産業心理。趣味はロードバイク、サッカー、ジェフ千葉、漫画、温泉など。