高校生の時にこの情報を知っていたら…いや、でも勉強する意味や目的を理解していなかったから、いい方法があってもやらなかっただろうな笑。40歳で迎えた大学院受験ではフル活用しました。この勉強法の効果は私の中では実証済みです。

心理学者のエビングハウスは、記憶に関する研究を重ね、忘却曲線を発見しました。実験で無意味綴りのアルファベットを覚えてもらったところ、翌日には74%を忘れていた、という結果だったのです。一夜漬けの勉強が記憶に定着しないのは、覚えた瞬間から忘れていってるからなのです。忘却率を低く抑えるには、繰り返し学習つまり復習(心理学用語ではリハーサル)すること、ストーリーで覚えること、感動などの感情を伴って記憶すること、などが有効であると言われています。

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エビングハウスの忘却曲線を生かした記憶法に「間隔反復法(スペースド・リハーサル)」があります。この方法は、忘却曲線が示すように、記憶は時間の経過とともに急激に失われるため、適切なタイミングで復習を行うことで記憶の定着を図るものです。以下が効果的な復習のタイミングと方法です。

直後

まず学習した直後に、一度内容を復習することで、最初の急激な忘却を防ぎます。学習が終わった直後に復習すると、記憶がより強化されます。

翌日

24時間以内に再度復習することで、短期記憶を中期記憶に引き上げます。繰り返すことで、忘却が緩やかになります。

1週間後

1週間後にもう一度復習することで、記憶が長期的に保持されやすくなります。この段階で復習すると、長期記憶により深く刻まれる可能性が高まります。

1か月後

1か月後に最終的な復習を行うことで、より持続的な記憶の定着が期待できます。

※ ※ ※ ※

スマホアプリやオンラインツールで復習のタイミングを通知してくれるものがあります。例えば「Anki」や「Quizlet」は、間隔反復法に基づいて復習のスケジュールを管理してくれるため、効果的に記憶の定着をサポートしてくれます。

理論を知って、サポート資源を使い、効率的に学習していきましょう。




cocoro no cacari|大塚紀廣

1976年千葉県生まれ。大学卒業後、第二新卒で(株)リクルートに入社、国内旅行情報じゃらんを担当した。その後同グループであった(株)ゆこゆこへ籍を移し、人事部で人材採用、社員研修の企画運営、ストレスチェック実行者等を担当した。40歳で退社し、臨床心理学大学院へ進学。修了後は東京大学医学部付属病院老年病科、都内のメンタルクリニック等で心理士業務に就き、現在に至る。専門は高齢者臨床と産業心理。趣味はロードバイク、サッカー、ジェフ千葉、漫画、温泉など。