こんな四字熟語を知った。論語が出典らしい。孔子が人に接する態度を評していった言葉とのこと。

【温良恭倹】おんりょうきょうけん

性質がおだやかで素直で、人にうやうやしく自分は謙虚なさま。

「温」は、おだやかなさま。「良」は、素直なさま。「恭」は、かしこまって、うやうやしいさま。「倹」は、大げさにせず、つつましいさま。「恭倹」は、他人にうやうやしく、また、つつましく接すること。出典は論語の「温良恭倹譲にしてもって之を得えたり」による。

1. 温(おん)── 温かく接する

  • 相手の感情に寄り添う:表情や言葉遣いで安心感を与える
  • 聴き手としての姿勢:相手の話をさえぎらず、うなずきや共感を示す
  • 笑顔と声のトーン:柔らかく、穏やかな話し方を心がける

2. 良(りょう)── 素直で誠実である

  • 正直な心で接する:取り繕わず、偽りのない態度を保つ
  • 過ちを認める勇気:自分の非を潔く認め、謝罪できること
  • 謙虚な言動:知っていても誇示せず、知らないことは素直に学ぶ姿勢

3. 恭(きょう)── 敬意をもって接する

  • 礼儀を大切にする:挨拶、丁寧語、所作の美しさ
  • 相手の立場を尊重する:年齢や地位に関わらず敬意を払う
  • 反応に敏感になる:相手が不快に感じていないかを観察する配慮

4. 倹(けん)── 慎ましく控えめに

  • 自己主張を抑える:自分の意見を述べるときは押し付けずに
  • 物事を控えめに評価する:功績を誇らず、周囲への感謝を忘れない
  • 簡素で自然体な振る舞い:目立とうとせず、自然であることを大事に

温良恭倹は「自分を抑える」ではなく、「相手の尊厳を大切にすること」が本質とのこと。そのため、自分の意見や感情を我慢しすぎるのではなく、「どう伝えるか」「どう接するか」の工夫が大切ということで、主張に関してはアサーションテクニックが役に立つだろう。

私は何歳になっても温良恭倹な人でありたい。


cocoro no cacari|大塚紀廣

1976年千葉県生まれ。大学卒業後、第二新卒で(株)リクルートに入社、国内旅行情報じゃらんを担当した。その後同グループであった(株)ゆこゆこへ籍を移し、人事部で人材採用、社員研修の企画運営、ストレスチェック実行者等を担当した。40歳で退社し、臨床心理学大学院へ進学。修了後は東京大学医学部付属病院老年病科、都内のメンタルクリニック等で心理士業務に就き、現在に至る。専門は高齢者臨床と産業心理。趣味はロードバイク、サッカー、ジェフ千葉、漫画、温泉など。