新社会人のみなさん、今日もおつかれさまです。学生というお金を払うお客様の立場から、社会人という価値を提供する側になるコペルニクス的転回を感じているのではありませんか。6月中旬の今は、導入研修が終わり、配属先にてOJTや、早い人は実務に入っている時期でしょう。

20代前半は、慣れない環境、手持ちの知識のなかで、自分の力を試される日々です。上司や先輩、同期と自分を比べて、うまくいかない現実に落ち込んでしまうこともあるでしょう。「同期のAさんはもうプロジェクトを任されてるのに私は雑用ばかり」「SNSで見る同年代の人たちに私はすでに遅れを取っている」そんな風に誰かと自分を比べて、モチベーションを失ってしまう相談をよく受けます。

たしかに、他者との比較、つまり相対評価は時に役立ちます。

競争は頑張る力になったり、自分の立ち位置を知る手がかりになるからです。ただ、相対評価だけを基準にしてしまうと、どうしても「上には上がいる」現実に疲れてしまうんですよね。

そこで、「過去の自分」と比べてみませんか?絶対評価です。

  • 1ヶ月前よりもやれることが増えている
  • 先週より今日の方が会議の理解度が高かった
  • 昨日より落ち着いて先方とコミュニケーションがとれた

こんな風に、過去の自分と比べて「ちょっと成長してるな」と思えることがあると、それが次のやる気につながっていきます。

他人と比べる相対評価と、自分自身と比べる絶対評価。どちらも大切ですが、日々のモチベーションを安定して保つためには、この「絶対評価」を持つことが有効です。

だからどうか、誰かと比べて落ち込んだとき、まずは昨日の自分に目を向けてみてください。「昨日より少しでも笑えた」「昨日よりちょっと気持ちがラクになった」そうした小さな変化に、自分自身で気づけるようになると、自信は少しずつ積み重なっていきます。

大丈夫、今日もあなたは、ちゃんと前に進んでいます。


cocoro no cacari|大塚紀廣

1976年千葉県生まれ。大学卒業後、第二新卒で(株)リクルートに入社、国内旅行情報じゃらんを担当した。その後同グループであった(株)ゆこゆこへ籍を移し、人事部で人材採用、社員研修の企画運営、ストレスチェック実行者等を担当した。40歳で退社し、臨床心理学大学院へ進学。修了後は東京大学医学部付属病院老年病科、都内のメンタルクリニック等で心理士業務に就き、現在に至る。専門は高齢者臨床と産業心理。趣味はロードバイク、サッカー、ジェフ千葉、漫画、温泉など。