みなさん、こんにちは。今日は「Lv20」と「さとりのしょ」で転職した臨床心理士の話をしたいと思います。どういう事かと言うと、ドラクエⅢの賢者への「てんしょく」と、40歳で心理士へ転職した話をリンクする試みです。私は社会性と心理学が80点ずつ備わった160点の臨床心理士なのではないか、という命題です。
さて、世間は夏休み。私の学童期は、朝起きたらまずノルマである夏休みの宿題と月刊ポピードリルをちゃちゃっと処理し、外に出て団地の壁を相手にボール蹴りに勤しみます。午後は部活がなければ家で延々と「ドラクエⅢ」です。「Ⅲ」から登場人物に職業が付与され、そこそこ戦えるLv20に達すると、他職業への転職が可能になりました。アイテム「さとりのしょ」があると、レア職業である「賢者」になれます。初めて賢者になったときは「おお、これが!」と感動したのを覚えてます。
大人になり、会社員として17年間、自分と家族のために戦士として走り続けました。社会のルールに則り、目の前の仕事に全力で当たってきた自負があります。サッカーで鍛えた瞬発力や、ゲームを読む力、気配を察するセンスなどは、社会に出てからも役立った。経験は身を助けることを学びました。会社員時代は、異動や転勤、転職、家族が増えたりなど、都度起きる環境変化に適応しながら、地道にレベルを上げてきたように思います。
40歳に差し掛かる頃に気がつきました。「今の俺の社会人レベルって、ドラクエでいうとLv20くらいにはなってるだろうな」と。ちょうどその時期に、資金(向こう3年分の生活費や学費)という「さとりのしょ」がたまたま手に入りました。資本主義社会ではお金こそが、戦士を賢者に転職させるラストピースなのだと知りました。で、賢者になった。
賢者は前職のステータスを引き継ぎながら、主要な回復/攻撃魔法を覚える、文武両道みたいな職業です。私は、戦士(会社員)の攻撃力(営業力)と守備力(コミュ力)と、魔法(心理療法)を使える賢者(心理士)になったというわけです。
最近の関心事は、魔法は使えるようになってきたけど、魔法使いや僧侶ほど深淵な専門家にはなれてないということ。その要因は、単純にレベルが上げが足りてないことと、覚えられるキャパが足りないことにあります。それでも戦士として培った能力は健在だし、そこに賢者としての力を積み上げている私は、今時点でもユニークな存在なのだと自認しています。
みなさんもみなさんのキャリアで賢者になっているはずです。色々な経験を重ねることで、唯一無二なキャラクターになっています。自分のキャリアに自信と誇りをもっていい。他人と比べる必要はないし、そもそも別物なので比べようがありません。キャリアとは優劣がつく代物ではないのです。
小学生のあの夏、サッカーで走り回り、家でファミコンにかじりついてレベル上げに明け暮れた日々が、まさか30年後の賢者になるための布石だったとは。人生は面白い。このエッセイは、ドラクエのワンシーンみたいに読んでもらえてたらうれしいです。コマンド?