心理学における「同調」とは、集団内多数派の影響を受けて、メンバーの意見・態度・行動が、多数派のそれに近い方向へ変容することを指します。

例えば、商品開発会議の際に、責任者ほか優秀なスタッフがAがいいと主張したら、自分はBがいいと思っていてもその影響を受けて、多数決の際にAに手を挙げてしまうとか。これは私の20代前半での実体験ですが、みなさんにも長いものに巻かれた経験はあるでしょう。

自分の意見を持たなきゃ、同調圧力に屈しちゃダメだ、と同調行為を恥じたり後悔したりすることもありますが、同調は必ずしも悪いことではありません。

例えば、歩道にこのような標識があった場合、

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歩行者は左側、自転車は右側ですよね。仮にあなたが自転車に乗っていたとして、何かの影響で大勢の歩行者が右側を歩いていたならば、それでもあなたは右側を走行しますか?歩行者にぶつかるリスクを軽減するために、流れを遮らないように左側を走ると思います。この行為も同調ですが、人間としての適応的な行動であるといえます。結果的には歩行者からの同調圧力に屈してますが、これでいい。

世界をみると、欧州や米国の人々は全員が個が確立していて、同調しないのではないかと想像しますが、自己主張で空気の読めない邪魔者扱いされることは多々あるそうです。文化の違いはあっても人間なんて根本は同じなんですね。例えば人種差別なんかも結局は自分とは違う異分子を認めないから生まれるわけで、欧米人は独立独歩、日本人は付和雷同というイメージは偏見なのでしょう。

人間は自己の行動決定において、自分の欲求や感情のみを基準に判断しているわけではなく、むしろ、他者の行動を重要な判断基準としているのです。そういうものだと知っておくことです。他者の意見で自分が揺れて当然なのです。

同調する、それ自体が良い悪いではありません。多勢に無勢という場面で、それでも戦うのか、ここは引くのか。揺れる心情を冷静に受け止め考察し、自分の内なる声に従った行動をとれば、後悔や自尊心を低下させる必要はないでしょう。

参考:河合塾KALS 大学院入試対策講座 心理学概論 テキスト

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cocoro no cacari|大塚紀廣

1976年千葉県生まれ。大学卒業後、第二新卒で(株)リクルートに入社、国内旅行情報じゃらんを担当した。その後同グループであった(株)ゆこゆこへ籍を移し、人事部で人材採用、社員研修の企画運営、ストレスチェック実行者等を担当した。40歳で退社し、臨床心理学大学院へ進学。修了後は東京大学医学部付属病院老年病科、都内のメンタルクリニック等で心理士業務に就き、現在に至る。専門は高齢者臨床と産業心理。趣味はロードバイク、サッカー、ジェフ千葉、漫画、温泉など。