「夕飯を何にしようか」なんて悩みは、心理カウンセリングの場には相応しくないと思いがち。実はそんなことないんですよ。

心理カウンセリングで扱うテーマは「自分がそれを気にしており、そのことで生活や仕事に影響が出ている事柄」です。夕飯の悩みがこの範疇にあるのなら、それはもう立派なカウンセリングテーマです。悩みの内容と大きさは他人と比較するものではありません。なんかやっぱ引っかかるな…という内容で、相談相手は友人?家族?なんか違うなと思ったら、ご遠慮なく心理屋の門を叩いてください。

そして、意外と知られていないのは、つらい気持ちだけではなく、自分が大切にしている考え方や価値観なども範囲だということ。ネガティブだけでなくポジティブな気がかりも心理カウンセリングでは扱います。もっと気軽に偏見なく心理カウンセリングが利用される社会になるといいなと思っています。

私はカウンセリングの他に、医療/福祉施設の職員心理相談の仕事もしています。社会福祉法人東京都社会福祉協議会が発行する「福祉の仕事悩み相談パンフレット」は、以下のようなお悩みがあれば是非ご相談くださいと言っています。

●こころの不調
最近眠れない、疲れが溜まって体がだるい、気分が落ち込む、憂鬱な日が続いている、モヤモヤする、仕事に行きたくない、話を聞いてほしいなど。
●仕事や職場環境のこと
人手不足で負担が大きい、職場になじめない、上司や同僚からパワハラを受けてつらい、処遇内容が理解できない、部下の指導で悩んでいる、キャリアアップしたいなど。

職場組織には上長など相談相手になり得る方々がいらっしゃいます。私なりに心理士との違い、メリデメを考えててみました。

スクリーンショット 2021-07-21 5.38.24

夕飯の悩みなどは心理士がいいと思いますね。心理士はある程度どんな話がきても聴く準備ができていますから。


cocoro no cacari|大塚紀廣

1976年千葉県生まれ。大学卒業後、第二新卒で(株)リクルートに入社、国内旅行情報じゃらんを担当した。その後同グループであった(株)ゆこゆこへ籍を移し、人事部で人材採用、社員研修の企画運営、ストレスチェック実行者等を担当した。40歳で退社し、臨床心理学大学院へ進学。修了後は東京大学医学部付属病院老年病科、都内のメンタルクリニック等で心理士業務に就き、現在に至る。専門は高齢者臨床と産業心理。趣味はロードバイク、サッカー、ジェフ千葉、漫画、温泉など。