2020年9月から1.5ヶ月に1回のペースで開催してきたピア・スーパービジョン。有意義な学びの時間を提供してくれました。一周期のここらで振り返りをしてみたいと思います。

ピア・スーパービジョンおよびスーパービジョン、OTL(Online Teamlet Learning)の説明は過去記事からどうぞ。

https://note.com/embed/notes/n9e01b04f29b8

実施したテーマ

①近況報告会
②臨床心理士資格試験の二次試験対策
③妄想の激しい人との付き合い方
④2020年の総括、臨床現場で働いてみて感じたこと。2021年の目標、何を成し遂げる一年にしたいか。
⑤精神科デイケアについて
⑥現場における情報管理と守秘義務
⑦相談支援(福祉領域)について
⑧GID治療 〜性同一性障害
⑨自分の共感域を超えたクライエントの語りや訴えにどう受容するか ←今週末に実施予定

ここまで8回実施しました。数日後に第9回が控えています。平日の20〜21時を3名でオンラインで行っています。持ち回りでテーマ起案者を決めて、開催の1〜2週間前に提案してもらう形をとっています。テーマは臨床心理学にまつわる起案者の最近の関心事や出来事になることが多いですね。内容は濃いですが、お酒飲みながらやる時もあり、堅苦しくなく肩の力を抜いて参加しています。メンバー同士の年齢や職域が違うこともあり、多角的な意見に触れられるのが面白いです。

気づきや学び

オンライン・ミーティングの技術が上がったと思います。発言のタイミングとか、リアルの場のそれと比較すると独特な間合いがありますよね。これからの時代の心理カウンセリングはオンラインとリアルが半々、もしくはオンラインが増えてきます。潮流を見極めて早め早めに慣れていくことが、時代を生き抜くひとつのやり方な気がします。

3名というチームレット(少人数グループ)で動く小回りの良さを実感しています。会社員時代は大企業と中規模会社の3社で働いた経験がありますが、スタートアップ企業ってこんな感じで物事を進めるんだろうなというイメージが湧いてきました。大規模と小規模どちらが優劣かではなく、双方それぞれに違った良さがあるんだよなと再確認できました。

ピア・スーパービジョンは横からの刺激、縦からの刺激をもらうにはやはり師匠とのスーパービジョンだなと。これも優劣ではなく別物の価値として捉える必要があります。専門的に鋭い教えを請うには、勉強会に参加したりスーパービジョンを受けるほうがいいですね。

今後に向けての申し送り

一年間やれてきたので、そろそろ新風を吹き込む時期かなと考えています。新メンバーを招集するのもありだし、リアルの場での実施回をつくるのもいい。別の分化会をつくってみるという手もある。現状維持は後退しか生まないので、少しずつでいいので変化を加えていきます。

※ ※ ※

大学院を修了し、初めてどっぷりと臨床現場に浸かる日々の中で、気付かぬストレス疲労が蓄積していたと思います。解決策としてのスーパービジョンは高額で頻繁に受けることが難しいわけで、そこで職場の先輩が長年行ってきたというピア・スーパービジョンを自分の臨床活動の中に取り入れてみました。

やって良かったなという総括です。自分の中の風通しが良くなりました。実は立ち上げる時に躊躇してたんですよ。声をあげたら運営していく責任が生じるし、シンプルに手間だし、始めたら簡単に投げ出すような真似はしたくないし。招集したメンバーに助けられましたね。この人選は間違ってなかった。少しはアセスメントができるようになってきた証拠でしょうか笑。

ピア・スーパービジョン。これからも参加者みんなのためになる時間を創造していきたいと思っています。




cocoro no cacari|大塚紀廣

1976年千葉県生まれ。大学卒業後、第二新卒で(株)リクルートに入社、国内旅行情報じゃらんを担当した。その後同グループであった(株)ゆこゆこへ籍を移し、人事部で人材採用、社員研修の企画運営、ストレスチェック実行者等を担当した。40歳で退社し、臨床心理学大学院へ進学。修了後は東京大学医学部付属病院老年病科、都内のメンタルクリニック等で心理士業務に就き、現在に至る。専門は高齢者臨床と産業心理。趣味はロードバイク、サッカー、ジェフ千葉、漫画、温泉など。