医療、福祉、産業の分野で臨床経験を積んできました。司法、教育は興味の矛先が向かないのでこの先もやらなそうです。三者三様の言葉通りで、領域が違えば求められる心理士の役割も変わるのだなと感じています。
医療
医療は、医師をはじめとする医療関係者との連携、つまりチーム医療が重要です。患者さんの傷病からの回復を目指すにあたり、心理士は主にこころの支援を担います。医師は診断や投薬治療の他に心理療法も行いますが、医師には時間の制約があります。心理士は心理検査や心理療法の専門家として、患者さんを含むチームに貢献していきます。
生命維持業務においては、医者など看護師の足元にも及ばない。というかそもそも医者と看護師では業務内容が違う。上も下もない。
(「病理医ヤンデルのおおまじめなひとりごと」市原真著)
私が働く大学病院でも、市原真ヤンデル先生のように、他職種に一目置いてくださる医師が多数いらっしゃいます。心理士としてとても働きやすいですし、自分の担当範囲において最大限の責任感と主体性をもって業務にあたれます。
福祉
川畑隆先生の言葉をお借りすれば、「福祉」とは「幸せ」を意味する言葉です。国は国民全員の幸せを希求しますが、その国民のなかでも特に子ども、障害のある人、高齢者、被害を受けたり生活が苦しい状況にある人など、社会的に弱い立場におられる方々に関する様々な相談や支援が、福祉分野の中心的な業務になります。
https://note.com/embed/notes/n152c25de6ec2
私は高齢者領域の心理士としてやってきて、これからもやっていきます。ここで働くには、専門家としての心理職2割+福祉職8割みたいな心構えがいいと感じています。利用者さんの生活の一部に入っていく仕事なので「専門職だから」みたいなプライドが一番邪魔です。来期からはデイサービス送迎の運転手もやります。利用者さんのQOLが高まるために何を一緒にできるのか、その一点に集中しています。
生活における居場所つくりの一員、そんな存在でありたいです。
産業
企業活動において、従業員のストレスマネジメントやメンタルサポートは重要な経営課題であり、企業では福利厚生の一環として、産業医、保健師、心理士等が、従業員のメンタルサポートに当たっています。そうした体制の中で心理士は、職場や仕事の悩みを抱えた従業員や軽度の鬱状態にある従業員に対して、心理相談等を通じて症状を初期段階で食い止め改善する役割を担っています。また、ストレスマネジメント等の教育研修を幅広く行い、予防という面でも重要な役割を果たしています。(一般社団法人 全国心理連合会)
組織規模によって、産業医が常勤/非常勤/決まった人がいない、など違います。心理士には、医師なきアセスメント、コンサルテーション、連携が求められます。ひとりで見立てて多くの人を巻き込んで繋げていく動きのイメージです。自立性と自律性が必要だと感じています。縁の下の力持ちとして、働く人のメンタルヘルス向上に関わることが、社会の成長に繋がると信じています。
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「さあ、今日も世界を救うぞ」毎朝そんな気持ちで家のドアを開けて出動しています。バタフライ効果で考えれば、あながち見当違いでもないんですよね。