対談イベントにお招きいただき、臨床心理士の立場から「対人支援の向き不向き」「コーチングとカウンセリング」「対人ストレスのコーピング」などをお話しさせていただきました。私個人が色々と経験してきた中での見解なので、ひどく主観的で客観を欠いた部分もあるでしょうが、自分なりの自分らしい言葉で伝えられたかなと自負してます。
対人支援に向いている人、向いていない人
結論から言えば、対人支援の向き不向きと聞いてイベントに参加される方は、基本的には向いていると思います。興味がある、それが一歩目なのですから。その上で「自分の問題を、自分で扱える状態になっている人」になっていれば、すでに打席に立つ準備ができている、といえるのではないでしょうか。
自分を自分で扱える状態は、訓練によって習得できます。私の場合は、40歳までの人生経験と、41歳からの大学院での学びがそれでした。
私は21歳と25歳で2度の臨床心理士チャレンジをしています。今思えばその時の私自身の成熟度では、仮に臨床心理士の資格は取れたとしても、対人支援はできなかったでしょう。夢破れて会社員として働き、人の役に立てる喜び、自分が何かを成し遂げられる人間だという気づき、社会はつながりで成り立っていることを実感させてもらいました。人生が自分の器を大きく固くしてくれました。
対人支援者になる訓練の場でもあった大学院時代の学びは、こちらでご確認ください。
臨床心理士への随録|cocoronocacari|note大学院入学から臨床心理士になるまで/2018.3-2020.12/心理学/臨床心理学/臨床心理/臨床心理士/公認心理師/産note.com
コーチングとカウンセリング
どちらにも共通するのは、ティーチングではないということ、つまりクライエント自身が持つ内なる力を最大限に自己活発させることです。
異なるのは対象者の属性や対人支援の目的などでしょうか。
もちろん、こんなにキッパリ切れるものではありません。キャリアコンサルタントと臨床心理士/公認心理師は、いわばお隣の資格。それぞれの項目でオーバーラップすることは往往にしてあります。当然、どちらの資格が良い悪いというものでもありません。嗜好性です。私はマイナスから0への変化が好きだったのです。だからキャリアコンサルタント資格は返上して、臨床心理士/公認心理師に進むことにしたのです。
対人ストレスのコーピング
参加者のみなさんから多くのご質問をいただきました。ご興味関心寄せていただき、とても嬉しかったです。
Q.対人支援ってきつくないですか?
A.きついです苦笑。きついんですけど、やりがいがあるし、自分自身も楽しいというか、ぜんぜん苦ではないんです。私個人の感覚でいえば、臨床心理学の枠内で対人支援にしているので、枠外であればその専門家にリファーする逃げ道(クライエントにとっての最大福利の道)がある安心感があるのが大きいです。自分一人でなんとかしなきゃと抱え込むと、こちらが潰れると思います。
Q.クライエントの波に持っていかれそうになったことはありますか?
A.おそらく、ないです。クライエントの波に一緒に漂うと疲れはしますが、持っていかれることはないと思います。私は「ヒトは他者のことはわからない」という考えが根本にある人間です。ともすると冷たい人間に映るのですが、どこまでいっても自分と他者が一枚化することはできないと思っています。その上で対人支援者として、どこまで寄り添えるか、どこまでその人の苦しさに共感的理解できるか、を思考しています。
Q.ストレス対処法って何されてますか?
A.週末の草サッカーですね。この4月でサッカーするの引退するので、ロードバイクとかゴルフに移行していきますけど、健全なる肉体には健全なる精神が宿るはある意味本当だと思ってるので、精神仕事する人ほど、肉体運動してバランスとるのがいいのかなと思ってます。
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外に向けてお話すると、ああ俺ってこんなこと考えてんだな、と驚くことがあります。自分で自分を扱うなんて格好良いこと言っても、まだまだ出来てないことが沢山あります。対談イベントは人のためにも私自身のためにもなると信じて、また機会を創り出し、機会によって自らを鍛えていきます。(会社員時代にとても影響を受けた言葉で締めさせていただきました)