ひろ新子著「行ってもイイ精神科、ダメな精神科」を読んだ。著者は大うつ病を長く抱えており、患者として東京23箇所の精神科/心療内科/メンタルクリニックを巡って、各院の印象や診断などから論評している。
人を受け止められる人かどうか、が全てらしい。同意である、自戒を込めて。
相手を慮り、私は何の役に立てるのか、そこに一位専心する。医療に留まらず、これは全ての仕事に当てはまるだろう。
心理士などという仕事をしていると、未だ病院には罹ってないけど精神面から体調を崩している方から「どんな精神科に行ったらいいんですか?」と質問される。よく答えているのは「新患の予約がとれるところ」。心療内科の新患予約は結構先まで埋まっている。私が勤務しているところもそんな状況である。家から近い、口コミ評価が高いなど、選ぶ基準は沢山あるが、まずは予約が取れるところに行こう。
そして、処方薬をもらおう。今の精神科医療にはセオリーがあるため、最初から劇薬を処方する医師はいない。向精神薬は一時的な気分の底支えにはとても効果を発揮する。休職が必要そうであれば診断書を書いてもらう。診断書の威力は強い。プロジェクトの完遂が…引き継ぎが…同僚に申し訳ない…、さまざまな思慮が渦巻くが、勇気を持って休もう。元気を取り戻すことが最優先ではないだろうか。
薬や休職で少し安定してくると、鈍麻していた思考力が復活してくる。自分に合う医院探しはそこから始めればいい。医師のコミュニケーション、診断の納得さ、医院の雰囲気などを考慮して、今のところが合わなければ、ガンガン転院すればいい。転院は決して悪いことじゃない。通ってもいいと思える医院をみつけよう。
「行ってもイイ精神科、ダメな精神科」ひろ新子著
きちんと受け止められると、人は優しい気持ちになるものです。
薬は、脳内のセロトニンやノルアドレナリンを調整することはできるでしょうが、それは根本治療ではないと思います。薬で気分が少し上がっても、本当の心の問題の解決にはならないのです。
○いいと思えた医者の条件
・患者の話を十分時間をかけて丁寧に聴いてくれること
・患者に寄り添って、痛みを受容してくれること
・心を開いて安心して話せる雰囲気が感じられること
・極力薬は最低限しか出さないこと
・薬の副作用の話を丁寧にしてくれること
×悪いと思った医者の条件
・充分に話を聴いてもらえたという感じに乏しい
・患者の話より医者自身の自慢話や余計な説明が多すぎる
・診察時間が短い
・薬を山ほど出す
・薬の説明がいい加減
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