「フランス人は10着しか服を持たない(ジェニファー・L・スコットン著)」の一説に、思想家ラルフ・ワルド・エマーソンの言葉がある。
Life is a journey ,not a destination. 人生は旅であり、目的地ではない。
人生を旅に例えるなら、それは終着点があるわけでも目的地があるわけでもなく、旅の経過そのものが人生というわけだ。
私は、10代から20代半までは、人生を愉しめる余裕なんて全くなかった。自分の人生が怖くて仕方がなかった。旅の意味や目的が欲しかった。
心理学者エリクソンのライフサイクル論を知っていれば、いくらか灯台となってくれただろうか。氏は人間の生涯をライフステージごとに8つの段階に分け、それぞれの段階における課題を示した。当時の私はさしずめアイデンティティの確立の時期で、何も見えない恐怖に慄くのは当然であった。
こうした理論を示してくれる心理学は私の人生の羅針盤となった。隣接領域の哲学や文学も私を救い導いてくれた。様々な助けを借りながら、なんとかここまで旅を続けてきた。ここから先もどうやら課題だらけのようだが、さて、何が起こるか、みてみよう。人生の意味や目的は未だわからない部分が多いけど、それでも暗中模索と試行錯誤が歩を進める活力になることは理解できた。今やれることに全力を注ぐ、そこだけに集中して、生きていく。
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