このタイトルはいつ見ても秀逸です。

例えば人間関係で嫌な目に遭遇し、気持ちを切り替えなきゃと思うもモヤモヤしてて。そんな時にはこの言葉を思い出しましょう。「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ」。言った本人はそんなつもりで言ってないから、多分そいつは今頃、何食わぬ顔してパフェとか食ってるだろうと。不思議とイメージできちゃうんですよね、そいつがパフェ食ってる姿。モヤモヤしてるのは自分の受け取り方の問題で、そいつに悪意はなかったと、思考の転換を促してくれる魔法の言葉です。

心理学の専門書ではなく、一般書として多くの人の役に立つ本です。身近な事例がテーマになっているので、我事として読みやすいです。

スマホゲームがやめられない。ありますねこれ。本中では、費やした時間をお金に換算すると、失った時間の価値がわかりますと書いてあります。私も一時期パズルゲームにハマった時期がありました。無課金だと次のプレイまで数分待たねばならないのですが、これが中毒性を生みます。うまく出来てますね。ある時に気がつきました、ゲームが頭の中を占拠してることに。ゲームに費やした時間を合計してみました。1プレイ10分くらいだとして、ここ数ヶ月で80時間、つまり3日間まるまるの時間を使っていたのです。驚愕でした。ストレス発散になってる感じがしなかったし、ただただ時間の無駄使いが恐ろしくなり、私はゲーム断ちできました。

SNSで友人の幸せ報告に嫉妬してしまう。これもあります。友人が成功しているのをみると、嬉しさ、妬ましさ、自己嫌悪の気持ちが出てきます。そんな時はこう考えましょう。「SNSに写る幸せは映画のハイライトのようなもの。みんな裏では結構悩んだり苦しんだりしている」。自分含めてみんな同じなのです、苦労なくして手に入る成功などないのです。こいつは頑張ったんだなあ、戦ってるんだなあ、よし俺もやったるで、この見方ができればSNSは楽しいツールになります。

人から褒められても素直に受け取れない。謙遜のしすぎは「お前は見る目がない」と言っているのと同じ。このフレーズは会社員時代に先輩にそっくりそのまま言われ、ハッとさせられた記憶があります。それ以降は適度に謙遜しつつも、頂いた褒め言葉には「ありがとう」で応えるようにしています。その方がお互いに気持ちがいいのものです。

匿名の言葉は、自分宛にしない」とか「疲れたから休むではなく、疲れる前に休む」とか、共感できる内容が他にもたくさんあります。ぜひ一度お手に取ってみてはいかがでしょうか。

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cocoro no cacari|大塚紀廣

1976年千葉県生まれ。大学卒業後、第二新卒で(株)リクルートに入社、国内旅行情報じゃらんを担当した。その後同グループであった(株)ゆこゆこへ籍を移し、人事部で人材採用、社員研修の企画運営、ストレスチェック実行者等を担当した。40歳で退社し、臨床心理学大学院へ進学。修了後は東京大学医学部付属病院老年病科、都内のメンタルクリニック等で心理士業務に就き、現在に至る。専門は高齢者臨床と産業心理。趣味はロードバイク、サッカー、ジェフ千葉、漫画、温泉など。

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