リワークとは、休職されている方が復職に向けて利用するプログラムです。大学生や専門学校生が復学のために活用する事例もあります。

目次

  1. リワークの強み
  2. リワークと心理カウンセリングの違い
  3. 新たなストレス対処法の獲得

自分がサービス提供者だった時の実施した所感はこちら。

https://note.com/embed/notes/n343a76895b41

リワークの強み

リワーク、すごくいいと思ってます。プログラムを通じて、生活リズムの確定、自己効力感の回復、再発防止のための知識と知恵の獲得ができます。以下はAIが示してくれたリワークの利点です。ご参考まで。

  1. 相互サポートとつながり: リワークプログラムでは、参加者同士が同じような問題や課題に直面していることがあります。そのため、他の参加者とのつながりを通じて相互のサポートや理解を得ることができます。この共感や支援は、参加者の自己受容感や希望感を高め、孤独感や孤立感を軽減するのに役立ちます。
  2. 集団の知恵と学び: リワークプログラムでは、参加者が自分の経験や洞察を共有することで、他の参加者から学ぶ機会があります。グループ全体の知恵や経験を活用することで、参加者は新しい視点やアプローチを見つけることができます。
  3. 自己認識と洞察の促進: リワークプログラムでは、他の参加者やファシリテーターからのフィードバックや質問を通じて、自己認識や洞察が促進されることがあります。参加者は自分自身や他者との関係について新たな理解を得ることができ、これが成長や変容のプロセスを促進します。
  4. 経済的メリット: 個別療法に比べて、リワークプログラムは通常、費用が比較的低い場合があります。これは、グループでのセッションを通じて効率的にサポートを受けることができるためです。
  5. 社会的スキルの向上: リワークプログラムに参加することで、参加者はコミュニケーションスキルや問題解決能力などの社会的スキルを向上させる機会を得ることができます。他の参加者との相互作用を通じて、コミュニケーションや関係構築のスキルが磨かれます。

これらの利点は、リワークが1対1の心理カウンセリングとは異なるアプローチで、より広範囲な支援や新たな気づきを提供できることを示しています。

リワークと心理カウンセリングの違い

リワークと心理カウンセリングの一番の違いは、集団療法なのか個別療法なのかです。この構造の違いにより、提供できる価値が変わります。

  1. 参加者の数と個別化: リワークでは複数の参加者が同時に参加しますが、心理カウンセリングでは一人のクライアントが一人のカウンセラーと対話します。個別療法ではクライアントのニーズや状況に合わせた個別化されたアプローチが可能ですが、集団療法では参加者全体に対して一般的なアプローチが取られることがあります。
  2. 個別的な深層探求: 心理カウンセリングでは、クライアントとカウンセラーの間で深い信頼関係が構築され、クライアントが自分自身や自分の問題について深く探求することができます。一方、集団療法では、他の参加者との関係やグループダイナミクスが中心になることがあり、個別の深層探求が難しい場合があります。
  3. グループの相互作用: リワークでは、参加者同士の相互作用がセッションの重要な要素となります。他の参加者からのフィードバックや支援を通じて、参加者は自分の問題を理解し、解決策を見つけるのに役立ちます。一方、心理カウンセリングでは、クライアントとカウンセラーの間の関係が重視され、他の参加者との関わりは限定されることがあります。
  4. セッションの構造と目的: リワークでは、グループ全体の目標やテーマに基づいてセッションが構造化されます。一方、心理カウンセリングでは、セッションはクライアントの個々のニーズや目標に基づいてカスタマイズされます。

リワーク(集団療法)にはグループダイナミクスや他者との相互作用を通じて得られる利点がありますが、心理カウンセリング(個別療法)ではクライアントの個別のニーズや深層探求に焦点が当てられます。

心療内科で心理カウンセリングを行なっている時に、数ヶ月の1対1カウンセリングでは回復の経過がよろしくなく、その後、近隣のリワークに半年間通うことで症状の改善が促進され、見事に復職された方がいらっしゃいました。何が功奏したのかと尋ねると、多様性を実感して自分の個性を認めることができたこと、集団認知行動療法で多角的な視点を学べたこと、刺激ある場面でも対応できた自分に自信が持てるようになったこと、を挙げていらっしゃいました。もちろん個別療法で回復して復職されていく方も多くいらっしゃるのですが、個別療法の限界と、集団療法のよさを、改めて実感したケースとなりました。

新たなストレス対処法の獲得

集団療法と個別療法はアプローチの違いです。共通点と言えば、復職復学後に使える新たな武器を携えることができる点にあるでしょう。

私はよく戦場に例えるのですが、職場や仕事がストレスでで休職し、復職する場合、また戦場に戻るわけです。自分なりのストレス対処法を繰り広げた結果、今回はその方法では対処しきれずに体調不良という結果になったわけです。休職して心身を休めれば、症状は収まるし、調子も戻ります。けど、以前の自分と同じ状態でまた戦場に戻れば、同じ轍を踏む確率は高いでしょう。新たなストレス対処法が必要です。

新しい武器を、自分一人で考える人がいます。自分なりの対処法でうまくいかなかったのです。新たな武器は、自分の内側からではなく、他者視点を取り入れるべきでしょう。その方がより強力な武器になります。

リワークや心理カウンセリングは、新たな武器の試し切りの場としても活躍してくれます。新調した武器が使えそうなのかどうなのか、少し試して、手に馴染ませてから戦場に戻りましょう。やれそうだなという感触があるかないかで、精神的な安心感は雲泥の差です。


cocoro no cacari|大塚紀廣

1976年千葉県生まれ。大学卒業後、第二新卒で(株)リクルートに入社、国内旅行情報じゃらんを担当した。その後同グループであった(株)ゆこゆこへ籍を移し、人事部で人材採用、社員研修の企画運営、ストレスチェック実行者等を担当した。40歳で退社し、臨床心理学大学院へ進学。修了後は東京大学医学部付属病院老年病科、都内のメンタルクリニック等で心理士業務に就き、現在に至る。専門は高齢者臨床と産業心理。趣味はロードバイク、サッカー、ジェフ千葉、漫画、温泉など。

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